おやすみなさい おつきさま

雅子様が幼少時代に好んで読まれた本の一冊ですね。

一見、単純にみえる本なのですが、よく読むと、とても緻密な挿絵と、適格な言葉の組み合わせがされているおもしろい絵本です。
読み手がゆっくりと絵を見せながら、静かに語りかけることがコツです。
……中略
この絵本の挿絵には、日本の生活様式と異なるものもたくさんあります。
暖炉や人形の家はなじみがなく、額縁の絵もイギリスのよく知られたわらべ歌や昔話が題材です。
しかし、二頁見開き画面の大きな部屋の部分やたくさんのもの、そして小動物たちは身近なものです。
ことばではものの数え方が、物によって違うことに気づくでしょう。
物は声をださないのに、おばあさんは声を出します。
また、部屋の中の空間と部屋の外にも空間があることがそれとなく語られます。
さらにものに、「おやすみ」と挨拶をかけることで、身近なものへの親しみとやさしい気持ちを感情移入する楽しさに気づきます。
人形の家とねずみの大きさの比較のところで、改めてねずみの存在に気づけば、各場面のねずみ探しをしてみてください。
思いがけないところにいます。
絵がとてもよく物語を語るのです。
挿絵がなくて、「おやすみ だれかさん」と文だけが示されているページで、この誰かさんを想像してみてください。
ウサギさんかな、読んでもらっている子どもかな?
やがておばあさんの姿も消え、すべてのものが寝静まって、音も聴こえなくなります。
音は眼に見えませんが、感じたり聴こえたりする不思議なものです。
最後に、この本の挿絵の秘密をお教えしましょう。
色彩画の各面々に、時計がふたつ描かれています。
その時計の針を読むと、この物語が夜の何時から何時にかけての出来事だったかということがわかります。
とてもよく工夫された絵本です。

絵本研究家 松井 直氏「子どもがときめく絵本の世界」 Vol.37より引用

おやすみなさい おつきさま
マーガレット・ワイズ・ブラウンさく / クレメント・ハードえ / せた ていじやく
評論社 (1979.9)
通常24時間以内に発送します。

[ ]

Google

呉タウン 全国地域情報

          
 

学校法人浄念寺学園 あいく幼稚園