園長だより H17.12.2
「園長だより」って、初めて耳にする方もおられるのではないかと思いますが、実は9回目のお便りなのです。
前回はもうだいぶ前に発行しまして、私ももう忘れたくらいです。
続きを気にはしていたのですが、なかなか踏み切れませんでしたが、前回の参観日の各クラスでの懇談会の時、
時間の都合でお話しようとした事の半分もできなかったことから、再発行することにしました。
この前の広島の矢野で女児が殺害された事件は、容疑者が逮捕されましたが、
私たちの身近にも起こり得ることなんだと驚かされた事件でした。
最近のさまざまな異様ともいえる事件をみていると、本当に人間の道徳心はどこへいったのかと思えるほどです。
人間とは、「人」の「間」と書きますが、まず個人である私がよりよい人生をおくるための人生観なり、道徳観を持つということ、そして「間」
である人と人との関係のなかで、みんなが仲良く暮らしていける社会を作っていくことが大切だと思います。
単に政府が悪い、社会が悪い、といったところで、問題の解決にはならないのではないでしょうか。
もちろん、政府や社会にはたらきかけていかなければならないこともあるのは確かですが、一人の人間の充実した幸福感を感ずるということは、
基本的には私の心のあり方だと思います。
「じゃあ、お前はちゃんと道徳を守って生きとるんか」と言われると、「すんません」と言うしかない私です。
しかし、少なくとも、何かしら前向きに人生を考えていこうとするなら、また、よりよく生きようと思うなら、
道徳は大切なことを私たちに教えてくれていると思います。
みなさんはどうでしょうか。
私たちは生物学的には霊長類のヒト科として生を受けますが、人になる、
人として身心ともに成長するには、人に育てられるということが必要です。
ご家庭で、善いこと・悪いことを具体的に子どもに教えるというとき、その善悪の基準はなんですか?
いくつくらい、善いこと・悪いことを挙げることができますか?
その善悪は、私個人の都合であってはいけないと思います。
ある意味で普遍的(だれでも、どこでも、いつの時代でも認められるもの)なものであることが大切だと思います。
なかなか具体的にと言われると難しいものです。
そこで、手がかりに、仏さまがおっしゃる道徳というのをヒントに考えてみることにします。
①殺生(せっしょう)、②偸盗(ちゅうとう)、③邪淫(じゃいん)、④妄語(もうご)、
⑤綺語(きご)、⑥両舌(りょうぜつ)、⑦悪口(あっく)、⑧貪欲(とんよく)、
➈瞋恚(しんに)、➉愚痴(ぐち)
なにやら難しげな言葉がたくさん出てきましたが、これは、もともと日本は文字文化を中国からそのまま輸入したためです。
あとにできた仮名文字は、漢字の崩しですし、カタカナはまさに漢字の片方をとって仮名にしたから片仮名なのです。
このような日本の歴史を考えればしょうがないですね。
この十項目は、「十悪」といいまして、世俗的な「悪」とは何かを言ったものです。
もちろん、この悪を作さない行為が「善」ということです。
悪は他を傷つけ、それは自らの悩み、苦しみとして跳ね返ってきます。
①~③までが行為、③~⑦までが言葉、⑧~➉までが心のあり方をいいます。
おもしろいことに、旧約聖書にモーゼの「十戒」というのがありますが、比べてみると4項目は全く一致します。
ちょっと理屈っぽくなりましたが、次回から道徳の内容としての十項目について述べてみたいと思います。
まあ、お茶でも飲みながら、お付き合いください。
あいく幼稚園園長 安達 高明
